こんにちは、やくえいといいます!
病院薬剤師の場合、調剤以外に病棟での仕事があります。
病棟では薬剤師を専任として配置します。
その業務は多岐に渡っていますが、大きく分けて以下の3つです。
① 病棟薬剤業務
② 薬剤管理指導業務
③ チーム医療への参画
文字にするとこうなりますがよくわかりませんね。笑
しかも①と②がどう違うのか。
電子カルテや薬剤師業務を支援するようなシステムの入っているPCとにらめっこしている時間が長いです。
そのため、他の職種の方からしてみれば「マジ、薬剤師何してるん?」と思うでしょう。
実際言われたこともあります。笑
今回は知られざる(?)薬剤師の病棟での業務についてご紹介していきたいと思います。
病棟薬剤業務
病棟薬剤業務はざっくり言うと、全ての薬の管理です。
いや、わからんわっ!笑
まぁ本当に全ての薬を管理しているんですが、わかりやすいように患者さんの入院の時から追っていきましょう。
〇薬歴管理
患者さんが入院してきたら薬歴という薬の使用に関する情報を記録しておきます。
・入院の経緯
・入院してから使用された薬
・普段飲んでいる薬(持参薬)の確認
・飲み合わせ
・これまでにかかった疾患(既往歴)
・アレルギーの有無
・副作用が起こったことのある薬の確認
・嗜好
・生活背景
・病気や薬に対する認識
・健康食品やサプリメントの摂取 など
こういう情報収集は中身は多少違えどだいたいどの職種もやっていることです。
まず患者さんの状態を知らないと始まりませんね。
〇処方内容の確認と処方提案
患者さんの状態を把握した上で処方内容を確認していきます。
特に小児や高齢者、腎臓や肝臓の機能が低下している患者さんは薬の効き方が変わってくるので、投与量や投与期間などの確認は必要です。
注射の薬の中には投与する速度の計算が必要なものもあります。
また、患者さんの状態によっては処方を提案することがあります。
副作用が疑わしい時は変更や中止を、開始したほうが良いと思う薬は新しく処方の提案をしていきます。
〇医師や他のスタッフからの問い合わせ対応や情報提供
薬に関することで相談を受けることがあります。
適切な薬の選択や投与量などの相談を受けたり、薬の使用方法や管理方法などの情報提供をしています。
添付文書という薬の情報書に沿って、あるいはガイドラインや論文等の情報を患者さんの状態を見ながらお答えしています。
また、医師やスタッフが管理しやすいように配慮することもあります。
〇病棟配置薬や冷蔵庫内温度の確認
病棟にも緊急で使用する薬も含めていくらか薬が配置されています。
鍵がかかるような引き出し、金庫などで管理することが義務付けられている薬もあります。
そういった薬は帳簿で毎日管理しています。
また、薬によっては高温に弱く冷蔵庫での管理が必要なものもあります。
冷蔵庫の中の温度管理も必要ですので、毎日温度計で確認して適正温度外であれば冷蔵庫の強弱を調整します。
〇配薬管理
患者さんごとの薬を管理しているボックスがあります。
曜日ごと、服用機会(朝・昼・夕食後・寝る前)ごとに分かれているので、薬の服用指示通りに一つ一つセットします。
他にも様々な業務がありますが、基本的には担当している病棟に入院している患者さんや病棟内にある薬は全て把握するようにします。
薬剤管理指導業務
こちらは患者さんに対して薬の効能、起こりうる副作用説明や服用方法に関する指導をするものです。
適切な使用ができるように他のスタッフとも情報共有しながら行っていきます。
特に注意して使用すべき薬についてはより説明や情報提供をして安全管理に努めたり、入院時とは状況が変化する退院後の薬の使用について注意を促したりしています。
よく服薬指導という言葉で表現されますが、服薬支援という言葉もあります。
服薬支援は適切に患者さんが薬を服用できるように支援するという意味で使われます。
飲み込み(嚥下)が悪い方や片麻痺がある方、認知機能が低下している方など、薬の服用が他の人より難しい患者さんには服用しやすいように看護師さんやリハスタッフさん、ケアマネージャーさんなどのスタッフと連携しながら支援していきます。
服薬指導や服薬支援した内容は記録を取っていきます。
こういった指導や支援については診療報酬がついてきます。
その分の安全管理や支援をしていかなければならないということですね。
なので患者さんのメリットになるよう薬剤師にも生涯研鑽が義務付けられています。
チーム医療への参画
院内では様々なチーム医療があります。
代表的なものは以下のようなものです。
病院の特徴などによっても変わってきます。
・抗菌薬適正使用支援チーム
・感染制御チーム
・栄養サポートチーム
・摂食嚥下支援チーム
・緩和ケアチーム
・褥瘡管理チーム
・糖尿病チーム
・救急医療チーム
・呼吸ケアサポートチーム
・医療安全管理チーム など
チーム医療ではそれぞれのチームごとに目的を共有します。
その中で職能ごとに専門的な見解を共有していくことになりますが、どのチームでも薬が関わることが多くありますので薬剤師の存在意義はあるかと思います。
院内でのチーム医療だけではありません。
時には退院後のことを考え、院外の薬局薬剤師さんやケアマネージャーさん、訪問看護師さんなどとも協力すべく、情報共有することもあります。
また、近年は多剤併用による障害(ポリファーマシー)が問題視されています。
単に医療コストの増幅もありますが、多剤併用によって本来の薬の作用とは別の作用(有害事象)によって障害が出ることもあります。
そういった中でポリファーマシーを改善していくチームが活躍する場面も出てきています。
まとめ
今回は薬剤師の病棟業務についてご紹介してきました。
非常に多岐に渡っているように感じましたでしょうか。
① 病棟薬剤業務
② 薬剤管理指導業務
③ チーム医療への参画
と言葉で表すとたいしたように見えないかもしれませんが、薬は安全とセットのようなもので薬剤師が色んなところで顔を出すのは当たり前かもしれません。
ただし、病棟薬剤業務はとてもやりがいがありますし、勉強になることがたくさんあります。
当たり前ですが病棟薬剤業務は病院薬剤師しかできません。
そのくらい自負してやっています。
今回の記事を機に薬剤師への理解や興味が少しでも出てくれば幸いです。
それではまた!
コメント