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【若手薬剤師向け】プロブレムで差をつけろ!継続患者さんの薬歴

スキルアップ

こんにちは、やくえいといいます!

薬局に再訪してくれた患者さんや、病棟で2回目以降の薬剤管理指導の患者さんと話す時にも事前に情報収集って大事です。
そんな時は前回の薬歴なんかを見たりしますよね。
でもプロブレムがしっかり立てられていないと「この患者さん、何してたんだっけ?」と上手く指導できない可能性があります。

病棟にいる多くの患者さんと関わっている僕は、患者さんそれぞれ個別の指導ができるように薬歴を書いています。
ポイントはプロブレムをしっかり立てるですね。
プロブレムをしっかり立てることによってどんな患者さんだったか、薬歴の中身まで見なくてもわかるようになります。
そんな2回目以降もすぐにわかるような薬歴にしていくことが大事です。
そのためにプロブレムごとに薬歴を書く必要があります。
今回は2回目以降の指導・薬歴について記事にしていきたいと思います。

新規か増減か継続か

まずは、当たり前かもしれませんが処方箋内容を確認しましょう。
その内容によって情報収集も変わってきます。

新規処方の場合:他科受診などによって新しく薬が始まったり、追加や変更がある。
受診の経緯や診断結果など聞くことが多くある。

増減の場合:病勢の変化などによって薬の用量に増減がある。
悪化して増えたか改善して減ったのか、その他の理由か。

継続処方の場合:病勢は安定しているか不変であることが多い。
良くも悪くも変わらないので、薬以外の介入も必要かも。

◎新規処方の場合
新しい薬が処方されている場合は患者さんから聞き取りをします。
追加や変更の場合も病態に変化があったと推測できます。
例えばカルシウム拮抗薬を飲んでいる患者さんにアンジオテンシンⅡ受容体遮断薬(ARB)が追加されたら、血圧の管理がイマイチなんだろうなって具合です。
薬効から病態を推測して聞き取りをしましょう。

◎増減の場合
薬剤が前回より増えている、減っている場合も病態に変化があったと考えられます。
一番先に考えるのは「減っている=良くなっている」でしょう。
でも薬剤師なので減っているということは副作用が出ているかもしれないし、生活に応じて減らしているのかもしれないというところまで考えましょう。
夏場に脱水を懸念して利尿剤が減っている場合などですね。

◎継続処方の場合
前回と内容が変わっていないと特に聞くことがないかもしれません。
その時に前回の薬歴ではどんなプロブレムを立てていたかを確認します。
本当に何も問題がないか、薬物療法以外にも指導すべきことがあるかなどですね。
いわゆる生活習慣病や骨粗鬆症などでは生活指導なんかも必要です。
また、アドヒアランスの確認もしていかなければなりませんね。

これら以外にも処方パターンはあるかもしれません。
結局は患者さんに聞いてみることが一番で、推測だけで終わらせることはしないようにしましょう。
情報収取ができたら薬歴に記録していきます。

他科受診であったり、別の疾患による新規処方の内容であれば1からの薬歴作成になります。
次の項から薬歴について書いていくので、以下の記事をまだ読んで頂いていない方は先にご参照ください。

【若手薬剤師向け】薬歴どう書いてる?問題志向型システム(POS)で次につなぐ!
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前回内容の引継ぎ

薬剤追加・変更や増減、継続などの場合は前回内容を引継ぎます。
ただし、前回の記録をそのままコピペするわけではありません。
コピペしてしまうと、前回の受診医療機関や変更前の処方内容などを記録して誤った内容になりかねません。
しっかりチェックしているのであれば良いですが・・・

引き継ぐ内容はプロブレムリストです。
患者さんへ投薬する前にもプロブレムは確認しているので、その内容で書き始められるかと思います。
前回記録にあるプロブレムの一文のみをコピペしましょう。

プロブレムをコピペしたらS:Subjective data、O:Objective dataと書き進めていきます。
Sは主観的情報で患者さんや家族の話したことです。
Oは客観的情報で誰が見ても同じもので、例えば処方内容や検査値などが該当します。
できるだけプロブレムに沿った情報収集をしていきます。

情報が収集できたらA:Assessmentで薬剤師的な見解を書いていきます。
ここでSとOを元に評価していくわけですが、プロブレムに対する考えなんかも書いていきましょう。

P:Planで計画を実行していくことになります。
Aでの見解から計画を立案しましょう。
このPについては前回から実行している内容もあります。
血圧の記録や検査値の確認などは継続していくことになりますので、同様に計画を引継ぎましょう。

プロブレムごとにSOAPで薬歴を書く

初回の薬歴では最終的にプロブレムリストを作成してプランを立案・実行していきます。
基本の書き方については同じですが、2回目以降の薬歴について注意点があります。
原則プロブレム1つに1つのSOAPを書くことです。
以下のように#1、#2・・・とプロブレムごとにSOAPで書いていきます。

#1 ○○○○○○

S:○○○○○○

O:○○○○○○

A:○○○○○○

P:#1 ○○○○○○
 OP)○○○○○○
 CP)○○○○○○
 EP)○○○○○○
 

#2 ○○○○○○

S:○○○○○○

O:○○○○○○

A:○○○○○○

P:#2 ○○○○○○
 OP)○○○○○○
 CP)○○○○○○
 EP)○○○○○○
 

  ・
  ・
  ・


1回の指導に対して1つのSOAPでの記録しか書けないシステムもあります。
その場合はA、Pをプロブレムごとに分けましょう。

#1 ○○○○○○
#2 ○○○○○○

S:○○○○○○

O:○○○○○○

A:#1 ○○○○○○
  ○○○○○○

  #2 ○○○○○○
  ○○○○○○

P: #1 ○○○○○○
 OP)○○○○○○
 CP)○○○○○○
 EP)○○○○○○

  #2 ○○○○○○
 OP)○○○○○○
 CP)○○○○○○
 EP)○○○○○○
 

SとOについてもプロブレムごとに分けて書いても良いかとは思いますが、ものすごく煩雑になります。
プロブレムごとに一覧になっている処方内容や検査結果などを分けなければならなくなります。
その時に重複してしまったりと読み手にも難しくなってしまいます。
もっと良い形はあるかもしれませんが、僕は現状この方法でやっています。

プロブレムごとにSOAPで薬歴を記載していくのは整理がしやすいということもありますが、読み手としても読みやすくなります。
患者さんごとに介入していく内容も明確になるため、差別化できて満足度の高い指導を継続していくことが期待できます。

まとめ

今回は2回目以降の指導・薬歴について記事にしてきました。
患者さんにはぜひ満足して帰って頂きたいですね。
そのためにも薬歴の質についてはこだわっていきましょう。
今回の内容を実践形式にして別記事にしますので参考にしてください。

指導内容は処方箋を持ってきた段階でいくつかのパターンに分類されます。

新規処方の場合:他科受診などによって新しく薬が始まったり、追加や変更がある。
受診の経緯や診断結果など聞くことが多くある。

増減の場合:病勢の変化などによって薬の用量に増減がある。
悪化して増えたか改善して減ったのか、その他の理由か。

継続処方の場合:病勢は安定しているか不変であることが多い。
良くも悪くも変わらないので、薬以外の介入も必要かも。

これらを意識して指導した結果、集められた情報をSOAPで薬歴に書いていきます。
理想はSOAPをプロブレムごとに書くことです。
その方が整理しながら書きやすく、読み手も読みやすいです。
患者さんにどんな介入をしているかがすぐわかります。

「インスリン治療をしている人」より「インスリンのペンに針を取り付けることに課題がある人」のほうが印象にも残ります。
インスリン治療している人は何人もいて誰に何をやっているのかわからなくなってしまいます。
僕は患者さんをプロブレムリストで把握しています。
基本的に1病棟1診療科で似たような治療をしている人が多いので。

プロブレムで患者さんを差別化して満足度の高い介入を継続していきましょう!
患者さんからも信頼されて他の薬剤師とも差が付けられるかもしれません。
今回の記事が1人でも多くの薬剤師さんの参考になれば幸いです。

それではまた!

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