こんにちは、やくえいといいます。
病院には医師、看護師、リハビリスタッフ、管理栄養士、ソーシャルワーカー、検査技師などなど、本当に多くの職種の方がいます。
ただ、よくこういうこと言われちゃうんですよね・・・
えーっと、薬剤師さんって普段何してんですか?
ん?えっと処方監査して、調剤して、それを監査して・・・
まあ色々やってるよ~
へぇ、なんかよくわからないけど大変なんですか?
あ、うん、まぁねぇ~
そりゃあもう、毎年他の部署に新人が入ってきたりするたびに言われますよ。笑
薬剤師の仕事ってそんなに認知されてないんだ・・・とかちょっと落ち込んだりもしますが、
確かに薬剤師ってどういう仕事をしているかって説明したり見せたりすることってそうそうないなと。
というわけで、今回は薬剤師の仕事について少し紹介していきたいと思います。
まずは薬剤師の仕事の基本でもある調剤室での仕事からです。
薬剤師ではない方、これから薬剤師になる学生さんに少しでもイメージしやすいように書けるよう頑張ります。
そもそも調剤室ってどういうところ?
調剤室って薬剤師や薬学部の実習でもなければ、ほとんどの方はまず入ったことないと思います。
でも、なんとなーく棚に薬が並べてあるんじゃないかなってイメージされる方が多いんじゃないでしょうか。
2020年のドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」でもそんなシーンが出てきていますね。
⇒「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」HP
https://www.fujitv.co.jp/unsung/
だいたいのイメージはそんな感じで良いと思うんですが、少し細かい話をすると薬が棚に並べられているだけではないんですね。
何やら棚には赤く囲っている部分があったり、引き出しにも薬が入っていて他のものと分けられていたりします。
これらは特別に管理方法が指定されている薬でもあるんですね。
他にはPCが何台も置かれていたり、プリンターも台数が結構ありますね。
また別の記事で書きますが、オーダリングシステムや電子カルテ・薬歴というものを導入している病院、薬局ほどPCの台数が増える傾向にあるように感じます。
その他何やら他では見慣れない機械がいくつかありますね。
調剤室のイメージはそんなところですかね。
では次からは実際に調剤室で何をしているのかをご紹介していきます。
調剤室の仕事
調剤室での仕事をざっというと以下の手順になります。
1. 処方箋監査
2. 調剤
3. 調剤監査
え?これだけ?
薬もらいに行く時に、たったこれだけのためにあれだけ待たせるの?
と言われそうですが、これらの作業の中に僕らが普段勉強してきていることや、薬剤師として確認すべきことをしっかり確認して安全に安全を期しているんです。
一つずつご紹介していきますね。
1. 処方箋監査
処方箋監査とは、医師が作成した処方箋を確認していくことです。
確認する内容は主に①処方箋に記載しなければならないことに漏れがないか、②処方内容がその患者さんに適しているか、の2つになります。
①処方箋に記載しなければならないことに漏れがないか
処方箋には患者さんの氏名、性別、年齢、処方医師の名前、保険の種類と番号、医薬品名、剤形、用法用量、投与期間などが決められた通りに記載されている必要があります。
これらに不備があると調剤できず、患者さんに薬をお渡しすることができないんです。
②処方内容がその患者さんに適しているか
処方箋の記載に不備がなければ実際に処方されている内容をチェックします。
複数の薬を飲んでいる患者さんも多くいらっしゃるので、その患者さんの服薬歴、飲み合わせや重複して似たような薬を飲んでいないか、アレルギーや副作用歴などを確認していきます。
特に飲み合わせについては他の薬や食事、サプリメントなどがそれぞれ相互に作用して、薬の効果を強くしたり、弱めてしまったりすることがあるので必ず確認しています。
多くの薬を飲んでいる患者さんは要注意ですね。
これら2つのどちらかに問題があれば医師に問い合わせる「疑義照会」というものをしていきます。
この「疑義照会」を怠ると薬剤師法に違反してしまうことになります。
2. 調剤
調剤は処方箋に従って適切に薬を取りそろえていきます。
主に①指示された数を取りそろえるもの、②指示された量を量り取るもの、の2つに分けられます。
①指示された数を取りそろえるもの
錠剤やカプセル、貼り薬などを指示通りそろえるものです。
10錠で1シートになっているものが多いかと思いますが、そのシート単位で取りそろえるものの他に、錠剤が飲みにくい小児や高齢の方のために錠剤をつぶしてお渡しすることもあります。
また、患者さんによっては複数の薬を1回ごとにまとめる「一包化」をします。
病院内や病院の目の前の薬局では自動で一包化してくれる機械を導入しているところも多いです。
②指示された量を量り取るもの
粉薬や水薬、塗り薬などを指示通り量り取ります。
粉やシロップなどの水薬は小児で使うことも多くありますが、成人と同じ量では多くなってしまいます。
小児に対しては体重などから個別の量を計算して量り取ることになります。
ものによっては0.01g単位で・・・
また、粉薬や水薬、塗り薬については複数の薬を混合することもあります。
その際に注意するのは混合することによって薬同士が反応して品質が変わらないかどうかです。
組み合わせによっては別々でお渡しすることになってしまします。
3. 調剤監査
調剤されたものに間違いがないかどうかを別の薬剤師が確認します。
ダブルチェックにしているのは、思い込みなどによって取り違えることがあるかもしれない、疑義照会するべき内容の見落としがあるかもしれないからです。
また、自動で一包化されたものであっても不具合が発生する可能性があるので、機械に入力したデータ通りにいかないこともあるからです。
これらの手順を経てようやく患者さんにお渡しできるんです。
が、最後に間違ってはいけないこと、本人確認ですね。
渡し間違えがあってはいけません。
薬を入れる袋にも患者さんの氏名や薬の用法用量など、決められたことを記載しなければなりませんが、合っているかどうかを確認してお渡しです。
まとめ
今回は薬剤師の仕事ー調剤室ーということで簡単にではありますがご紹介してきました。
少しでもイメージができましたら幸いです。
薬剤師が薬をお渡しするまでには
1. 処方箋監査
2. 調剤
3. 調剤監査
の手順を踏む必要があるんです。
その中には僕らが普段勉強していることを詰め込んで、安全を確保できるようにしています。
とはいえ、やはり時間かかりすぎ!笑
そのあたりは調剤ロボットなどの導入がこれからどんどん進んでいくので、薬を取りに来る皆さんの待ち時間は少なくなるかもしれません。
しかも取り違えがない。
ただし、人によって好きなカルピスの濃さが違うように、人それぞれに合う薬の内容も変わってくるんですよ。
ロボットだと全員同じ濃さ。笑
そこはその人の生活背景や環境、性格などを汲み取らなければならないので、薬剤師の活躍の場はまだまだありそうですね。
今回の記事を読んで多くの方に薬剤師の仕事を知ってもらえたら嬉しいです。
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