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【栄養の知識】薬剤師が栄養を勉強していて良かったこと!

栄養の知識

こんにちは、やくえいといいます!

薬剤師やってて栄養の勉強ってどうなの?何かメリットある?
薬剤師だから薬の勉強はするけど、栄養の勉強をするのは栄養士じゃないの?
こんな意見をたくさんいただきます。

僕は現在、栄養サポートチームをはじめとした栄養に関わる仕事をすることが多くあります。
僕もはじめは薬剤師が栄養について学ぶことのメリットはあまりないと思っていました。
ですが、仕事を続けていくうちに栄養の知識が業務にも患者さんにも役立ったことが多くあります。

今では栄養の勉強をしていて本当に良かったと思っています。
良かったことはアセスメントの力や検査値を読み取る力、患者さんや他職種とコミュニケーションを取りやすくなったことなど様々です。

まだ薬剤師として将来何がやりたいかわからない方や目標がないという方はもちろん。
もうすでに目標が決まっているという方も一度栄養について勉強してみましょう。
確実に薬剤師として、医療人としてステップアップにつながるはずです。

栄養の勉強をはじめたきっかけ

僕が栄養を勉強することになったきっかけは、胃がん術後の体重減少と術後補助化学療法の完遂率(予定していた用量、期間の投薬ができたか)に関係がみられたという報告を見てからです。

胃の一部または全部を切る手術をした後は食事の内容や量などが変わることがあります。
それによって栄養状態の低下、体重が減っていきます。
特に胃を全部取った方は体重が落ちやすい傾向にあります。

手術後は目に見えないがん細胞が残っている可能性もあるので、一定期間の抗がん剤治療をします。
術後補助化学療法といいます。
ここで大事なのは再発しないことです。
そのために完遂しておく必要があります。
ただし、完遂するために栄養状態の悪化や体重減少の影響が大きいです。
つまり、治療成績を上げて、予後を良くするためには栄養を良くして体重を維持し、抗がん剤治療をやり切る必要があるということです。

抗がん剤治療は日々良いものになっています。
数十年前とは比べ物にならないほどです。
そこからさらに治療成績を良くしようと思ったら、ドロップアウトを防ぐ必要があります。
栄養はドロップアウトを防げるものの一つだとわかった途端に勉強意欲が高まりました。
勉強していると、その他にも栄養の良し悪しで治療成績が変わってくるんだと、薬の効果や副作用にも違いが出てくるんだとわかり、どんどん勉強が進んでいくようになりました。

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栄養の勉強をしていて良かったと思うこと

栄養の勉強をしていて良かったと思うことは数多くあります。
いずれも患者さんの生活を中心として考えたり、薬以外のことを考えることを習慣化したことが良かったのかもしれません。

具体的にどういったメリットがあったのかをお示ししていきます。

アセスメント力が上がった

薬の勉強ばかりしていた頃は薬効や副作用を中心にアセスメントしていました。
薬剤師なので当たり前かもしれませんが、今思うと独りよがりで狭い範囲でものを考えていたなぁと反省します。

教科書などには「患者さんの状態に応じた薬物療法が重要」みたいな記載がありますが、これを読まれた方の中には年齢や腎機能、相互作用などによる薬の用量調整のことと解釈されているかもしれません。
栄養の勉強を始めてからは患者さんの状態はもちろん、環境や人格、食事やリハビリ、ケア内容などにも目がいくようになりました。

また、体の変化は栄養の勉強をしているとよくわかるようになります。
栄養は体の構成から代謝、内分泌のことまで勉強します。
薬物動態、治療に関係しますのでアセスメントの仕方も変わってきますね。

これらは薬剤師として経験を積めばできると思うかもしれませんが、そんなことはありません。
実際ベテランさんだからアセスメントがちゃんとできているとは限りません。
こういう目はちょっと違う目線で勉強してきた人じゃないと養えないと思います。

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検査値に強くなった

検査値は病院であれば見慣れているでしょうと思われがちです。
ですが、みんながみんなその意味を読み解けるとは限りません。

栄養状態を見ていく上では採血などの検査データで評価していきます。
もちろん自然と検査結果を見る機会が増えます。
ただ見るだけじゃなく、評価するので状態変化と検査値の変動を照らし合わせていきます。

病態のコントロールや治療の進み具合などで栄養状態は変わっていきます。
色んな変化をみますので、逆に言うと検査結果でどんな患者さんかある程度わかるようになるまで検査値には強くなりました。

患者さんとコミュニケーションを取りやすくなった

患者さんにとって薬の話聞くのって退屈だったりするんですよね、よくわからない単語が並んで。
栄養状態を知るには問診やフィジカルアセスメントなどが必要になってきます。

この問診では普段の食事の摂り方や食べる時間、誰と食べるかなどを聞き取ります。
またフィジカルアセスメントによって栄養状態はもちろん、慣れれば見ただけで体の変化に気付くことができるようになります。

当たり前ですが会話の量も増えます。
薬一辺倒の話でもないので比較的話が続きやすいです
患者さんの生活パターンなんかもわかるので薬の飲み方の話もできるようになります。
結果的に良い服薬指導ができるかもしれません。

チーム医療力が付いた

他の職種と話す時にも栄養の話って共通の話題になりやすいです。
どの職種にも栄養の知識って大事だからですね。

またリハビリやケア内容などにも関心を持つようになるので、それに合わせた薬物療法の提案などもできるようになります。
結果、色んな職種と関わるようになるためチーム医療を実践する能力も身に付きます。

また、栄養については栄養サポートチーム(NST)があります。
NSTは元祖チーム医療みたいなところがあり、チーム医療として完成形に近いです。
チーム医療を学ぶには良いと思います。

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これから栄養を勉強する方へ

薬剤師がいざ栄養の勉強を始めようと思ったら、真っ先に取り組むのが「輸液」じゃないでしょうか?
輸液は医薬品になるので、薬剤師の栄養療法=輸液とイメージしやすいと思います。
「薬剤師 栄養」で検索したりすると輸液のテキストが多く出てきますので間違いはなさそうです。

でも、輸液の勉強って辛くないですか?笑
電解質やら、酸塩基平衡やら、mEqやら、mOsmやら、細胞外液やら細胞内液やら・・・
聞いただけで投げ出したくなって、その結果勉強が楽しくなくなったりする。
そんな薬剤師たくさん見てきました。

栄養療法で大事なことって何でしょうか?
栄養状態を良くすることですよね。
そのために栄養評価してその人の必要量算出し、栄養量考えてまたその評価をします。
なので、最初に勉強してほしいのは栄養評価の方法と必要量の算出です。

テキストは何でも良いと思います。
栄養評価や必要量算出の項目ではテキストごとの内容に大きく違いはありません。
勉強して実践していく中で、必要な輸液を考えていきます。

そこで初めて輸液の項を見てみましょう。輸液の勉強はそこからで良いと思います。
ちなみに薬物療法と違って小数点以下まで計算通りに栄養投与を考える必要はありません。笑

あとはとにかく実践あるのみで、症例を多く積んで輸液含めた栄養療法を勉強していくことになります。
とはいえ、そんなに多くの症例を、しかも栄養療法中心に見る機会がないよという方も多いのではないでしょうか。
僕もはじめはそうだったので、症例ベースの書籍でトレーニングを積んでいました。

まとめ

今回僕が思う栄養を勉強して良かったなと思うことについて書いてきました。

〇アセスメント力が上がった

〇検査値に強くなった

〇患者さんとコミュニケーションを取りやすくなった

〇チーム医療力が付いた

これらは薬剤師として働いていく上で大事なことだなと記事を書きながら思いました。

また、これから勉強を始める方にはぜひ輸液から勉強しないで頂きたい。笑
栄養の勉強はまず栄養評価と必要量の算出から。
患者さんの栄養考えていく時の入り口もそこからです。
あとは症例積むだけですね。なるべく実践形式が良いです。
そのほうが楽しく進められると思うので。
症例検討会みたいなのも良いかもしれませんね。

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1人でも多くの薬剤師さんに栄養への関心を持ってもらえたら幸いです。
以下の記事も参考にして頂けたらと思います。

それでは、また!

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