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薬と栄養の話|薬剤起因性老年症候群

栄養の知識

こんにちは、やくえいといいます!

薬ってどんな時でも副作用などのリスクは付き物ですよね。
高齢者に対しては特に気を付けなければなりません。
歳を取るにつれて肝臓や腎臓などの機能が衰えて、薬の分解や排泄が遅れてしまうからですね。
それにより薬の効果が強まって、副作用が出やすくなります。

ではどんな副作用が出てくるでしょうか。

薬剤起因性老年症候群

特に高齢者特有とも言うべき症状・徴候であり、注意しないと取り返しのつかないことになるかもしれません。

今回はこの症状について記事にしていきたいと思います。

高齢者に起こる老年症候群とは

老年症候群とは特に高齢者にみられる症状・徴候です。
嚥下(飲み込み)機能障害、せん妄、認知機能障害、転倒などが代表的なものですが、50項目以上の症状・徴候からなると言われています。
このような症状・徴候により治療や看護、介護が必要になった状態のことを指します。

昔は「まぁ、歳だからね」で済まされていましたが、超高齢化社会で高齢者の割合が多い現在はこういった問題をほったらかしにして良いわけありません。
特に慢性疾患を多く抱えている場合はより起こりがちです。
疾患自体が高齢者の自立を困難にすることもありますが、しばしば疾患よりも老年症候群によって自立が妨げられることがあります。
時に寝たきりにつながることもあるので注意が必要です。

薬剤起因性老年症候群について

老年症候群は疾患を多く抱えていると起こりやすくなります。
また、多くの疾患を抱えているということは薬も多く飲んでいる可能性があります。
いわゆるポリファーマシーですね。

ポリファーマシーの何が問題かというと以下の通りです。

①相互作用(飲み合わせ)によって作用が増強・減弱する
②飲み忘れや飲み間違いによって正しい効果が得られない
③薬が増えることによって薬剤費が増える
④薬を飲む(飲ませる)手間が増える

ただし、薬が多いからといって必ずしも悪いものでもありません。
薬の内容によっては3種類くらいでも悪さをしますし、10種類以上あっても問題ない場合もあります。
その悪さをしているかどうか確認するためにも老年症候群について評価していくと良いです。
薬によるものなので薬剤起因性老年症候群といいます。

高齢者では腎臓や肝臓の機能をはじめ、様々な生理的機能が低下しています。
その機能低下に加え、生活状況や本人の意思などを考慮した上で処方薬の優先順位を考えていく必要があります。

また、以下の症状・徴候と原因となる薬があります。
1種類のみではたいしたリスクではないですが、2つ、3つと増えていくにつれてリスクが増大していきます。

厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」より引用

老年症候群によるフレイル

フレイル(Frailty;虚弱)は加齢に伴って生理的機能や身体能力の低下している状態です。
健康な状態から介護が必要な状態までの中間でもあるといえます。

認知機能障害や抑うつによって食欲が低下することによって栄養障害になったり、ふらつき・転倒によって活動が制限されることがあります。
便秘も時には食欲低下につながることがあります。
こういった老年症候群により身体の機能は衰えていきます。

これらの原因となる薬を知っておくと副作用などの予想をすることは難しくありません。
その多くは老年医学会からある、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を参考にすると良いです。

まとめ

今回は薬剤起因性老年症候群について紹介してきました。
高齢者に対する薬物療法を考えていく上では、まずは生理機能の低下について考慮します。
それにより薬の量などを評価していくことが大事です。

その上で副作用などの評価をします。
高齢者の場合だと老年症候群を中心として考えていくと良いです。
老年症候群は生理的機能や身体機能を低下させ、自立を妨げる因子でもあります。
薬剤師として薬剤起因性老年症候群の評価をしていくことは、現代医療において医療資源の適正活用へ寄与していくことと同義と考えます。

今回の記事を機に多くの薬剤師の方に理解して頂けたら幸いです。

それではまた!

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